ムダ毛の構造と毛周期

人間の体には産毛も含めてびっしりと体毛が生えているものです。体毛には体毛できちんと存在理由があるのですが、髪や眉毛、まつげなどの必要な部分以外の体毛は問答無用でムダ毛という扱いになります。そして、今やそのムダ毛を処理するのが当たり前の風潮となっています。確かに、ムダ毛を処理することによって得られる美しさもあります。ただ、だからといってとりあえずムダ毛を処理しておけばいいというものでもありません。ムダ毛の構造や毛周期について理解した上で処理することが大切なのです。

ムダ毛の構造はどうなっている?

まずは、ムダ毛の構造についてきちんと理解しておきましょう。基本的にムダ毛の構造というのはどこに生えているものも同じで、表皮から出ている部分を毛幹、表皮の内側に隠れている部分を毛根と呼びます。多くの方が目で見てムダ毛と認識しているのは、表皮から露出している毛幹の部分になります。 表皮の内側に隠れている毛根の部分というのは、さらにいろいろな部位から構成されています。毛乳頭は毛細血管から栄養素を受け取って、毛母細胞へと送ってくれる部分になります。毛母細胞は毛乳頭から送られてくる栄養素を受け取って、細胞分裂を繰り返し、毛を作っていきます。この毛乳頭と毛母細胞を含めた毛の根元の膨らんだところを毛球部と呼びます。そして、毛球部を含めた毛根を取り囲んでいるのが毛包という組織になります。 ムダ毛というと多くの方が表皮から露出している部分のみを意識するのですが、その表皮の内側にもムダ毛があるのです。植物と同じで、土から生えている部分だけではなく、土の中にも根っこがあるのです。これをきちんと理解しておくことによって、ムダ毛の処理に関しても考え方が違ってくるはずです。

よく見聞きする毛周期とは?

次に、よく見聞きする毛周期についてです。毛周期というとあまり馴染みがないと思う方もいるでしょうが、「ヘアサイクル」と呼ぶとぐっと身近なものに感じられるのではないでしょうか?毛周期とヘアサイクルは基本的に同じものです。ムダ毛も含めて毛というのは、成長期、成長後期、退行期、休止期の4段階のサイクルを繰り返しています。ムダ毛というとずっと生えっぱなしのように思えるかもしれませんが、実際には生えては抜けてということを繰り返しているのです。数が多いからこそ、ずっと同じムダ毛が生えているように感じられるだけなのです。 毛周期における成長期と成長後期というのは、脱毛にもっとも適した時期であるといわれています。というのも、ムダ毛の根が深いですし、メラニン色素も濃くなるからです。脱毛施術というのはメラニン色素に反応させるものがほとんどですので、脱毛施術の効果をもっとも実感できる時期とも言えるかもしれません。 退行期も脱毛施術に適していると言えるでしょうが、やはり成長期や成長後期ほどの効果は実感できないでしょう。脱毛施術の際にどのようなマシンを使うのかにもよりますが、ダメージは与えられるでしょうし、そこからムダ毛が細くなったり短くなったりすることは十分にあり得ます。ただ、成長期や成長後期のムダ毛と比べると根も浅いですし、メラニン色素もやや薄くなります。そのため、成長期や成長後期と同じような効果は得られないと考えたほうがいいでしょう。出力設定の弱いマシンだと、ほとんど効果を得られないこともありますので注意しておきたいところです。 休止期のムダ毛というのは、もっとも脱毛には適さない時期です。休止期の脱毛施術というのはそれこそまったくの無駄と言っても過言ではありません。というのも、休止期というのはムダ毛が抜け落ちる時期であり、抜け落ちるのを待つ時期でもあるのです。脱毛施術を受けるまでもないのです。脱毛施術では毛乳頭にアプローチすることになるのですが、休止期になるとその毛乳頭からムダ毛が離れてしまうので脱毛施術をする意味がなくなってしまいます。 効果的に脱毛をするためにはこのような毛周期を見極めることが大切なのですが、残念なことに目視で判断することはとても難しいのです。そのため、やはりプロに相談して、施術をおこなっていくことが大切になってきます。

ムダ毛の構造と毛周期を知って効果的な脱毛を

ムダ毛の構造を知ると、表皮から露出している部分のみをカミソリなどで処理する方法では意味がないということがおわかりになるかと思います。根元から対処しないと何度も生えてくる雑草と同じです。 さらに、ムダ毛にも毛周期、いわゆるヘアサイクルがあります。脱毛施術を受けるにしても、この毛周期というものを考えておかないとまったくの無駄になってしまうこともあります。ただ、その毛周期というのは素人が目視で判断できるようなものではありません。だからこそ、毛周期のことも含めて脱毛施術はプロフェッショナルに任せるようにしたほうがいいのです。